投資信託の期待リターンでセミリタイアする人、破綻しませんか? って話
投資信託セミリタイアって危なくない? って話
今日は私が日ごろからなんとなく疑問に思っていた「これ本当に成り立つの?」ってセミリタイアの話です。結論から言うと「投資信託のリターンありきでセミリタイアするって、結構難しくない?」という内容。
あくまで素人考えなので、いや、君の考え方はここが間違っている! ってところがあったら是非教えてほしいです。
破綻しそうなセミリタイアモデル
まず、こういう例を考えてみます。
「私は将来2000万円の投資資金を元手にセミリタイアしたいと思っています。ひと月の生活費は15万円。少し余裕を見て年200万円として計算します。2000万円を5%で運用できる投資信託に預けるので毎年100万円は入ってきます。残り100万円を労働で得ます」
税金のことを考えてないというのは置いておいて、こういった形のセミリタイアは多くの方が考えるのではないでしょうか。
ただ、この理論上はうまくいきそうなセミリタイア生活。実際には破綻するのでは……? と思えてならないんですよね。
期待リターンの平均値を神格化しすぎでは?
先の例では投資信託の期待リターンを5%で計算しました。これは、その投資信託の商品を買っておけば、年5%ずつ増えていく見込みだよ。ということになるのですが、これってあくまで平均値の話なんですよね。
つまり、上がる年もあるし下がる年もある。でもなんだかんだ最終的には年5%くらいになるよ。ということです。
この上がる年もあるし、下がる年もある。というのが曲者で、
具体的に言うと、期待リターン5%でリスク20%の商品があると、1年後は3分の2の確率で100万円+リターン5%、つまり105万円の上下20%の値動きで収まるそうです。
ということは、年換算で-20万円くらいになる可能性も十分にあるということ。
投資金額2000万で同じ計算をすると、-400万円です。もちろん、余剰資金で投資している人は、その状態になってもそのまま持ち続けることで、最終的に収束した年5%のリターンを得ることができるかもしれません。ですが、毎年の生活費を投資で賄おうとする人は、マイナスになった年はどうするんでしょうか……?
投資信託のリターンは毎年引き出せるわけじゃない
このように投資信託のリターンを期待してセミリタイアしてしまった人は、投資信託に最初から明記されている想定リスク内の値動きにさえ一喜一憂する生活を強いられます。
最初に出したこちらの例
投資金額2000万
投資で年100万(5%)
労働で年100万
毎年安定的に5%の利益を得られれば問題はありませんが、利益が全くでない年もあります。その場合原資を崩しては、さらに厳しくなることは明白ですから、足りない分は労働でカバーするほかありません。労働で年200万……。月に直すと毎月17万円。高卒の初任給くらいでしょうか……?
これをバイトとかで稼ごうと思うと、もはやセミリタイアとは言えないですね。
平均値はあくまで平均値なので、その数字を根拠に毎年の収入を計算しようという考え方は非常に危険です。
もし期待リターンだけを見て、毎年の収支を計算している方がいましたら、これを機に見直したほうがいいかもしれません。
いやいや、これはこうこうこうなるから大丈夫! 安泰なんだよ! という意見がありましたら、ぜひコメントで教えてください。